診断基準、ますます混乱?
メタボリックシンドロームの診断基準は、2005年に国際糖尿病連盟が作成したものです。
日本の診断基準も、この国際糖尿病連盟が作った診断基準を元にしていますが、これらは「腹部肥満(内臓脂肪型肥満)」
を必須項目としています。
しかし、これ以外にも実はいろいろな学会や団体があり、 メタボリックシンドロームの診断基準についてさまざまな主張が繰り広げられています。
例えば・・・
アメリカ心臓協会やアメリカ国立心肺血液研究所などは、
腹部肥満を必須項目としなくてもよいとしています。
アメリカ糖尿病学会ヨーロッパ糖尿病学会は、どちらの診断基準もよくない。
現時点ではメタボリックシンドロームという診断基準を制定すること自体慎重になるべきだ、と主張しています。
さらに驚くべきことに、「メタボリックシンドローム」という考えを最初に提唱したレーベンという医学者自身がこう指摘しています。
「国際糖尿病連盟が作った診断基準は一番疑わしい」と。
これらの話を総合すると、次のような主張が各方面からなされているということです。
「腹部肥満をメタボリックシンドロームの診断基準にするのはおかしい!」
実際、内臓脂肪面積や皮下脂肪面積、BMI(=身長と体重から割り出される肥満度)と、インスリン抵抗性 (インスリン抵抗性が高いと血糖値が下がらなくなる)とは、それほど強い相関関係にあるわけではない、という研究結果も出ています。
さて一方で、日本の現状はどうでしょうか?
男性なら腹部周囲長(ウエスト)が85cm以上というのがメタボリックシンドロームの必須項目ですが、これは世界的に見ても、
非常に厳しい値です。
実際、「糖尿病のかかりやすさとさほど強い相関関係のない腹部肥満の基準をこれほど厳しくするのはどうか?」 という声もちらほら聞かれます。
とはいえ、お腹がポッコリ出ていても安心、と言うわけではありません。
腹部肥満は健康のに黄信号、ということには変わりありません。
お腹が出てきたら、身体を動かすこと、栄養バランスを考えた食事をすることに注意すべきです。
健康に気を遣うことはいくら早くても早すぎる、ということはありませんから。
大切な自分のカラダ、用心するにこしたことはありません。
メタボリックシンドロームの診断基準を厳しくすることで、病気に対する注意を促す、という意味もあるかもしれません。
しかし、危険度が低い人まで「メタボリックシンドローム」という枠に入れてしまって、むやみに不安に陥れ、 患者扱いするのは避けたほうがよいのではないか、ということです。
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